日本初、自宅でフェリチン推定!自己採血検査キット&アプリ販売開始 2019/11/14

~日本の半数の女性は鉄欠乏。貧血がなくても特に妊婦は要注意、体調不良・メンタルヘルスは鉄と栄養素不足かもしれない。血液検査を分子栄養学で分析、モバイル・デジタルヘルスで統合し鉄量と栄養素健康管理~

リ・スタート株式会社は、日本で初めて※1自宅・職場・フィットネスなどで、わずかな血液を自己採血し、検体を郵送することにより鉄量を推定し、関係する栄養素不足の健康相談をアプリで可能にする「鉄欠乏推定検査!マイクロセルフキット&アプリ」を開発し11月より販売を開始しました。
 

 
このキット&アプリは近くの医療機関でフェリチン検査が出来ない、また相談ができないユーザーへ、自宅等で手軽に鉄欠乏推定検査を可能にし、鉄欠乏の認識と対策を広めるきっかけになります。  
結果はデジタルヘルス・プラットフォームで長期管理し、モバイル健康相談は分子栄養学の見地から、健康課題は栄養素不足による分子レベルでの代謝障害と捉え、専門の医療従事者が関係する栄養状態を推測し、足りない栄養素を補給するセルフヘルスケアソリューションを提供するものです。
 
想定利用ユーザーは、鉄量管理が必須となる妊娠を計画している女性、妊婦・産後婦、鉄欠乏による心身疾が疑われる、または原因不明の愁訴で苦しんでいる女性、第二次性徴期〜思春期の方、アスリート。健康経営の施策としての具体的な健康管理取り組み企業等です。



【詳細はつぎの通りです】
リ・スタート株式会社は、日本で初めて※1自己採血キットを使い、僅か50マイクロリットル(小豆大)の血液から鉄量推定の臨床意義を有する血清フェリチン、血清鉄、ヘモグロビンの鉄関連3マーカー値を血液検査から推定するキットを提供します。
同時に生化学系マーカー15項目も推定し、計18マーカーとなります。
 
分子栄養学とは生体と栄養素の関係を、DNAと分子生物学を基礎とする新しい栄養科学です。身体症状や精神症状として現れる心身不調の根本原因を、生体細胞の中の分子レベルで起きている栄養素不足による生化学反応の代謝障害としてとらえ、健康問題を現在の医学に加え、生化学血液検査結果を科学的アプローチで解析するものです。
 
 
今回この鉄量推定キットとアプリを販売する背景です。
「鉄」は血中のヘモグロビンに多く存在し、全身に酸素を運ぶこと、減少すると貧血になることは広く知られています。
 
一方知られていないのは、身体の全鉄量の2/3はヘモグロビンに使われますが、残り1/3の鉄の役割で、特に分子レベルで起きる生化学としての代謝酵素の活性機能です。
鉄は生命の基礎であるDNA合成や生命維持の基本であるエネルギー代謝、睡眠や精神疾患に関わる脳内ホルモンの神経伝達物質と呼ばれるドーパミンやセロトニンなど様々なタンパク酵素生成、また肌組織の代謝などに、絶対的不可欠ミネラルです。
 
なお鉄の需要はヘモグロビン生成が最優先されるため、貧血はこの1/3の鉄が減った鉄欠乏の最終病態です。
貧血の前に起きる鉄欠乏は「隠れ貧血」とも呼ばれ、鉄欠乏はこれら様々な代謝障害の原因となり、その結果身体と心の健康問題につながりますが、多くは原因不明の不定愁訴※2や、症状から精神疾患と診断される事も多々あります。
 
この理由は、鉄欠乏の検査は貧血検査が一般的で、貧血検査としてのヘモグロビンや赤血球検査では異常なしとして鉄欠乏は見逃されるためです。
 
鉄欠乏を知るためにはフェリチン検査が有効となります。フェリチンとは鉄不足に備えて体内で貯蔵している予備鉄を入れておくタンパク質で、前述の1/3の鉄の多くを占めます。フェリチン量を現す血清フェリチンと他の鉄マーカーを測ることで、貧血症状が発症する以前の鉄欠乏が推測できます。
 
但しフェリチン検査は標準の血液検査には含まれておらず、検査を行う医療機関が少ない事も認知されていない理由です。
 
鉄は他の栄養素と同様に食物から摂取されますが、問題は日常の鉄分の摂取が不十分で、鉄の需給バランスが負になるフェリチン不足です。
過去にも2014年4月に、NHKの「ためしてガッテン」で、「あなたも!新型鉄不足  肌荒れ不眠、うつ状態」の原因は「フェリチン不足」と紹介されました。
特に女性は生理で周期的に鉄を失います。また妊娠・出産で大量の鉄を失います。
現代の食生活の栄養素の減少に加え、鉄分が多い食肉を避ける偏食傾向や不適正なダイエットでの栄養素不足がある場合鉄欠乏に陥りやすく、同番組では3,000人を調査した結果、半数がフェリチン不足だった事が報告されました。
 
フェリチン欠乏が要因とされる疾患は、基礎代謝障害による不定愁訴、肌荒れ(コラーゲン生成阻害)などが知られています。またうつ、産後うつ、パニック障害、過換気発作、ADHD注意欠陥多動性障害や、認知症につながるMCI軽度認知障害も鉄欠乏に関係している報告があります※3。
 
課題は、これら疾患は、医療が進んでいる先進国の日本で増え続けていることで、人口統計からの鉄欠乏関連疾患の推定は2,000万人にも上ります※4。



 

 
 

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図1:鉄欠乏が要因となる健康問題または該当する対象者統計
 
 
この課題の背景として現代社会の食の問題があります。日本は飽食でありながら、美味しさや見栄えを追求し糖質過剰摂取となっていること、また動物性タンパクを避ける間違った健康志向や、手軽な加工食品への依存で、鉄を含む栄養素摂取が偏る質的な栄養失調状態となっていることです。
 
食の基本は家庭であり、鉄欠乏が要因となる身体症や心身症が、親から子供へ鉄欠乏の食事を通じて世代を渡って継承されてしまうことこそ、鉄欠乏の根底にある食の本質問題と考えます。
 
ではこれほど重要な鉄欠乏が推定できるフェリチン検査が認知・普及していないのは何故でしょう。
第一に、フェリチンは一般の病院での血液検査で標準検査項目になっておらず、特に要望をしない限り行いません。標準検査であるヘモグロビン検査値が基準値の場合は正常と診断され、鉄欠乏は見逃されてしまいます。
またフェリチン検査を要望しても貧血症状がない場合は自費診療となります。
つまり手軽に検査できる手段が無かったことです。
 
二つ目の見逃しは、フェリチンを測っても、基準値内なので正常と判断されることがあります。これは基準値と、あるべき正常値が異なることの認識不足から生じます。
基準値とは、健康と判断された検査結果群の95%統計の下限値〜上限値のことです。つまりもともと鉄欠乏気味の日本女性は、統計値は低い方にバイアスされており、基準値内=正常値ではないことです。
 
特に妊婦は鉄補充管理を厳重に行う必要があります。理由はもともと50%の女性が鉄欠乏状態ですが、妊娠25周目から母体の鉄は胎児に移行してしまうため、母体のフェリチンは空となる重篤な鉄欠乏となり、妊婦の50〜70%は貧血となる統計があります。
しかしながらヘモグロビンは測っても、フェリチン値を測る産婦人科は多くありません。
また産後は、母親はどの診療科でも鉄欠乏のフォローから取り残され、時に凄惨となる産後うつを発症します。なお産後うつの発症率は10%の統計があります。これは大きな社会問題です。
 
鉄欠乏対策でサプリは有効ですが、多くの人はフェリチン値を検査せず、また目標値も認識せず何となく飲んで、また定量的な効果も分からない事が実情です。
特に妊娠を考えている女性はフェリチン値を知り、どのレベルまで引き上げるかを医療関係者と目標設定するのは、不妊、早産や流産、胎児の発育不良、発達障害の予防にも必須です。
 
生物の鉄の需要管理システムは厳格で、鉄は経口摂取では過剰摂取とはなりませんが、一方鉄の過剰摂取がしばしば問題視されます。その場合もやはり検査で鉄量を知ることは安心につながります。
 
 
本キットならびにアプリは鉄量の推定をいつでもどこでも手軽に実現し、これら疾患予防となる健康管理の第一歩に貢献ができると期待されます。
結果はモバイルアプリへ通知し、デジタルヘルスケア・プラットフォームで統合管理ができ、定期検査で推定値の変化をグラフ化。
推定値結果に不安がある場合は、別途、国家資格を持つ医療専門員が、モバイルで健康相談を通じて関係する栄養素不足の推定を行い、セルフヘルスケアを推奨します。

 

 
 

 
その他対象として、陸上などアスリートは激しい運動でスポーツ貧血となり、大半が鉄欠乏と言われています。このキットとモバイルアプリケーションは、アスリートの健康管理にも最適です。 また、健康経営の具体的な健康施策として、女性の健康増進とメンタルヘルス対策にも適応が出来、生活習慣病項目も含みますので、健康経営のソリューションとしても活用が期待できます。
 
 
※1 血清フェリチン、血清鉄、ヘモグロビン推定を同時に自己採血キットで可能にするのは日本初(当社調べ)
※2 不定愁訴:体がだるい、頭が重い、頭痛、動悸、朝起きられない、イライラするなど
※3 Iron Deficiency in Children With Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder (ADHD)Eric Konofal, MD, PhD; Michel Lecendreux, MD; Isabelle Arnulf, MD, PhD; Marie-Christine Mouren, MD 
日本人妊婦を対象とした非侵襲的ヘモグロビン 測定機器開発にむけての基礎研究 - 小児と思春期の鉄欠乏性貧血
Anemia and Mild Cognitive Impairment in the German General Population Journal of Alzheimer's Disease, vol. 49, no. 4, pp. 1031-1042, 2016
※4総務省人口統計と各種リサーチデータから当社推測

 

 
 

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